薬剤師と緩和ケア、これからの高齢化社会の中で求められるもの


薬剤師と緩和ケアは、今後さらに高齢化社会に進むにあたって、切っては切れない関係にあります。

緩和、というのは治療と似て非なるものです。薬剤師に求められる緩和ケアにおける役割を考える上で知っておくべきことなどを挙げていきましょう。☆☆☆

薬剤師の緩和ケア、それは聞くこと

薬剤師が緩和ケアを行う上でまず認識しなければならないのは、「聞くこと」です。

薬剤師に限らず、人を治療する人間は、こうした方がいい、こうしなければ良い、といったアドバイスを患者さんに与えなければならないと思う傾向が強いです。

そのため、一方的に患者さんに語りかけてしまい、患者さんの声を聞くことが出来ず、患者さんに精神的、肉体的苦痛を与えかねません

例え的確な医療行為であっても患者さんがストレスを感じてしまえば、せっかく治るものも治らなくなります。

緩和ケアを考えてこの聞く行為を重視し、大学における薬剤師教育においてもコミュニケーション能力を扱う講義が数を増やされています。

また、実際に仕事場である病棟や調剤薬局でも服薬指導、在宅医療を通しての訪問先でのコミュニケーションなど、患者さんと直接やり取りする機会が増えています

このように、薬剤師と患者さんが会話をすることが緩和ケアにおいて、いかに重視されているかがわかります。

薬剤師が緩和ケアで注意しなければならないこと

薬剤師が緩和ケアを考える中で最も難しいのが、末期がんなどといった、すでに治る見込みが無い患者さんへのケアです。

すでに末期がんを宣告されていて、実際に体の不調が自分でもわかっている方であれば、普通の患者さんが聞きたい、「もう少し頑張ろう」「治るよ」という言葉は苦痛しか与えてくれません。

ここで緩和ケアを考えるときに重要となるのは、自分の意見を、自分が薬剤師として言わなければならない言葉を無理に伝えるのではなく、あくまでも傾聴(反復)することです。

例えば、ある患者さんが「もう死んでしまいたい」と呟いたとします。

ここで「そんなことを思わないで!」「もう少し頑張ろう」といってはそこで会話が終わってしまう可能性が高いです。

そこで、「死んでしまいたいの」と傾聴(反復)するのです。

そのことによって、患者さんは自分の言った言葉を改めて人の口から聞くことになります。その一言が次の「だって私は・・・」というように続いていきます。

これは完全な解決策には思えないかもしれませんが、患者さんにとっては誰かに話を聞いてもらうというだけで心のケアを受けていることになる場合が多いです。

そして、ただひたすら話を聞いてあげることは相手にこの人になら話せるといった信頼感を与えることになります。

もちろん、何も、自分の意見は一切入れないというのが緩和ケアというわけではありません。

生きていても意味が無い、という患者さんに、私はあなたに会えてよかったと思っています。と率直に伝えるのも良いでしょう。

相手のさらなる言葉を引き出す事ができれば、立派な緩和ケアと言えるでしょう。

薬剤師の緩和ケアはメンタル面が重要

薬剤師が緩和ケアを行う上で、患者さんの身体的健康を気にするのは当然ですが、それ以上にメンタル面でのケアを行わなければならないのは言わずもがなです。

それがよく分かる一例が、飲酒OKという緩和ケア病棟がほとんどという点です。

病院の中ではお酒は厳禁のはずですが、お酒好きにお酒禁止を言い渡すのは、メンタルケアも含まれている緩和ケアの考え上できません。

お酒を禁止してしまえば、もちろんですが患者さんは大好きなものから遠ざけられ精神的な苦痛を感じます。

さらに、そのようなお酒が大好きな方であれば、お友達も同様にお酒好きである可能性が大きいです。

美味しいお酒を楽しくお友達と飲みたい、と思っても出来ないのは大きなストレスとなるでしょう。

社会と繋がっていたい、自分の日常を奪われたくない、そんな患者さんの声を護るため、緩和ケアではこのような特例があります。

薬剤師の緩和ケア、キーワードは「希望」

薬剤師が緩和ケアを行う中で、希望を支えることが重要事項になります。

確かに、薬剤師の役割は真実を伝えることです。しかし、あなたはこのような病気である、助からない。という言葉は緩和ケアには不適切です。そこで、この「希望を支える」ということが大切になります。

緩和ケアを行う場所というのは、小さな専門の個人病院もありますが、大きな病院の中で緩和病棟というように、ある建物、あるフロアに固められているのがほとんどです。

そういう面では似たような境遇のもの同士で暗い話をするよりかは明るい話をしたいものです。

このような話があります。胃がん末期のある女性患者は、予後数日と思われる状況で、「先生、約束覚えている? フランス料理のレストランに行くっていう約束。私、ハイヒールを履いておしゃれしていくの」と言いました。

しかしそのように語る彼女の下肢は浮腫でパンパンに腫れ上がっていて、ハイヒールどころか、靴が履けるようにも見えません。

しかし、それに対し「そんなことができる状態ではありません」と言うでしょうか。

「もちろん覚えているよ。ちゃんと準備しておくからね」と答えるほうがはるかにましです。

患者さんは、日々自分の体から、周りの人間から病状を言い聞かせられている状態です。患者さんにも夢や希望を語りたい時があります。

その希望を支えてあげることも薬剤師にとっては重要な緩和ケアの一環なのです。

しかし、一方では「真実を伝える」ことも重要です。「どのくらい生きられますか」と余命の質問は辛いものです。

医者の仕事だと質問をはぐらかすことは可能ですが、そこで応えるのも医療人としての仕事の1つです。

特にまだ幼い子どもを抱えていたり、要介護の方を支えている患者さんだったら今後のことを事前に考えておかないといけないのでなおさらです。

限りある生命をどれほど充実して過ごせるかにつながるので、可哀想だから、といって寿命を長めに、というのは決して優しさではありません。

緩和ケアというのは、薬剤師にとって非常に難しい仕事の1つであると言っても過言ではないでしょう。

しかし同時に人の死を身近に感じられる場所であるということから自分の生き方を見つめ直せる貴重なきっかけを作ってくれる場所であるともいえます。

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