薬剤師とヘルニア、伝えたいヘルニアの予防と治療
職業病とはその名の通り、その職業に起こりがちな病気。
薬剤師の代表的な仕事に調剤薬局やドラッグストアがありますが、共通することは立ち仕事であるということです。
そのため、最も問題となるのがヘルニアです。ヘルニア以外の職業病もおさらいしながら、対策などを考えていきましょう。
また、ドラッグストアや調剤薬局薬剤師として患者さんからヘルニアに効く薬について聞かれた場合にお勧めすべき医薬品についても載せていますのでご参照ください☆☆☆
薬剤師のヘルニア、ほかにはどのような病気事情?
薬剤師の職業病にはヘルニアの他にどのような種類があるのでしょうか。
薬剤師にありがちなものに、腱鞘炎があります。
調剤薬局では、錠剤をヒートから取り出す単調作業や薬歴を書く作業は手首に大きな負担をかけてしまいますし、企業勤めの内勤であればずっとパソコンを扱うことがほとんどなので腱鞘炎になることがあります。
また、調剤薬局とドラッグストアでは薬歴を書く際にペンが癖で同じ個所にあたり、ペンダコができたり、ヒート出しによって爪から出血するすることもあります。
さらに姿勢の悪さや同じ姿勢で薬歴を書いたりパソコンを扱うことで肩こりに悩まされることもあるでしょう。
むくみなどもよくある症状ですが、その中でも企業、調剤薬局やドラッグストアいずれにしても最も多くみられるのが、腰痛、そして代表的なヘルニアです。
ドラッグストアでは様々な日用品を扱うので、それらの商品を並べたり棚卸をする際には立ったりしゃがんだりと大きな負担があります。
また、力仕事に無縁そうな調剤薬局ですが、重いシップの束を運ぶ際には思いのほか腰に負担をかけます。
企業で内勤パソコン業務で同じ姿勢でいればその姿勢が悪ければ悪いほど腰に負担がかかります。外勤でも荷物を抱え、駆け回っていれば腰痛まっしぐらです。
薬剤師のヘルニア事情、その対策は?
前項後半でヘルニアになる原因を軽くご紹介しましたが、より具体的な原因を見ることで対策を探っていきましょう。
まず、ヘルニアが最も多い調剤薬局やドラッグストア薬剤師ですが、その最も大きな原因は立っているときの姿勢であると言えるでしょう。
まっすぐ立っているつもりでも、長時間立ち仕事をしていると、つい左右どちらかに体重を預けてしまいます。
これによって体重が偏ってしまい、骨盤にゆがみが生じ、その結果腰痛になります。
また、筋肉疲労も腰痛の原因の一つです。長時間の立ち仕事は、ずっと背中・おなか・お尻の筋肉に緊張をもたらし、負荷がかけてしまうことで筋肉疲労が起こります。
筋肉の緊張により筋肉が固くなり、血行不良が起きてしまい、老廃物や疲労物質の蓄積で腰痛になります。
また、意外と見落としがちですが、合っていない靴を履いていることも腰痛の原因になります。形があっていない靴では体のバランスを取ることができず、筋肉疲労や骨盤のずれを引き起こしてしまいます。
特にヒールなどの不自然な姿勢は腰への負担が大きく、腰痛の症状が出やすくなります。
仕事中にもできる対策としては、ストレッチがあります。
筋肉疲労による筋肉のこわばりをほぐすためにゆっくりと腰を回したり、腰をそらせてみたりという軽いもので大丈夫です。それだけでも血流が改善されます。
他には、ツボ押しがあります。
こち付近にある膀胱兪であったり、殷門という太ももにあるツボを刺激するとよいでしょう。
また、睡眠環境の改善も考えることをお勧めします。
例えば合わない高さの枕、布団の硬さ、柔らかさは、腰痛以外でも頭痛や肩こりなどの原因になります。ネットでも簡単に買える時代にはなっていますが、専門店に行ってみて、実際にどのような寝具が合うか見てもらうのもよいでしょう。
薬剤師がヘルニアの患者さんに紹介したいおくすり
腰痛や腰椎椎間板ヘルニアの治療には、大きく分けて、手術をする方法と、手術をしない方法があります。手術をしない方法というのは、保存療法と言って、安静治療、理学療法、そして投薬による治療があります。
今回は薬剤師が患者さんにお勧めする、手術しない方法の中でも、薬を使った方法をご紹介します。
さて、ヘルニアとは、体内の臓器など(椎間板ヘルニアにあれば、飛び出した椎間板)が本来あるべき場所から突出している状態で、それが神経を刺激することで痛みが発生します。
椎間板ヘルニアに効く痛み止め飲み薬
ただし、治療といってもヘルニアの根本的解決はあまり期待しないほうがいいです。あくまでも痛み止めです。
たかが痛み止めと思うかも知れませんが、実は痛みを抑えることでヘルニア治療の成果を早く出すことができるのです。
それは、痛みを感じることで反射的にその周りの筋肉が緊張して固くなり、その結果血液の循環が悪くなります。
栄養のめぐりが悪くなることで筋肉のこわばりが解けずにその結果さらに痛みが悪化することがあることです。痛み止めを服用することでこの悪循環を止めることができるというわけです。
さて、では実際のヘルニア治療でおすすめな薬をご紹介しましょう。
まずは非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)です。
消炎鎮痛剤であるNSAIDsは代表的な薬で名前の通り、炎症を鎮める役割があります。代表例として、頭痛薬として絶対の知名度があるバファリンやロキソニンがあげられます。
頭痛にしか効かないという誤解がありますが、実際には痛み止めなのでヘルニアにもおすすめです。しかも即効性で目立った副作用もないので女性や子供にもお勧めです。
もっと効果を求めるのであれば、リリカとトラムセットがあります。セットで処方されることも多い薬ですが、前者は痛みの神経物質が出るのを抑制する働きがある薬です。後者は痛み止めとして使用されているものです。
根本的な原因をたたくのでその分効果が期待できますが、同時にめまい、眠気
吐き気、便秘、意識低下など使用するタイミングを医師と、薬剤師と相談して注意して飲む必要があります。
ヘルニアに良い座薬
くすりの種類で言うならば、座薬もあります。
代表的なボルタレンなどの強い薬もありますが、効果が大きいほど副作用の可能性も増えることを念頭に置いておきましょう。
副作用としては、胃痛・吐き気・食欲不振などの胃腸症状があげられるため、胃腸薬の併用がお勧めです。
ヘルニアに効く湿布
割と軽度なヘルニアであれば、簡易的に使用できるバンテリンなどの湿布薬もあります。
筋肉のこわばりを解くため、筋弛緩薬を一緒に処方されることも多いのでその組み合わせがお勧めといえます。
ヘルニアに効きそうなサプリメント
ヘルニアそのものというより、ヘルニアなどによって起きる腰痛にお勧めなサプリメントがあります。
グルコサミン
ぐるぐるぐるぐるグルコサミン・・・のCMでもおなじみ、グルコサミンのサプリメントは 軟骨を形成する基本成分なので、神経を圧迫するのを緩和する軟骨を再生させる作用があります。
コンドロイチン
軟骨に存在するコンドロイチンを摂取することで 保水性や弾力性、潤滑性を与える働きを得て、軟骨がすり減るのを抑制します。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は関節部で骨と骨の間で起きる衝撃を吸収するクッションの働きをします。
ビタミンB
ビタミンB群、ビタミンB1はブドウ糖を燃焼しエネルギーに変え、たまっている疲労物質を流します。効果の期待できるビタミンB群のビタミンですが、ただ1種だけを過度に摂ると、他のB群を消耗させてしまい、むしろ効果が得られないという厄介な特性があります。
その為、ビタミンBのサプリメントをと考えているのであれば、「ビタミンB群」や「ビタミンBミックス」と言ったものを選ぶのがよいでしょう。
ビタミンC、ビタミンE
ビタミンCはコラーゲンの形成を促進し、ビタミンEは血のめぐりをよくすることでたまった疲労を取り除き、痛みの悪循環の発端となる筋肉のこわばりをマグネシウムが筋肉の緊張を和らげることで痛みに対抗することができます。
まとめ
物理的な腰痛、ヘルニアの原因、その対策と患者におすすめのヘルニアに効くおくすりについて整理してきましたが、実際には目に見える原因ばかりではないのが残念ながら事実です。
日ごとから大きなストレスを感じていると知らぬうちに体が不調を訴えることがあります。
今の仕事からの精神的負担からくるものであれば、上司と相談し、場合によっては転職を考えるべきでしょう。
また、調剤薬局やドラッグストアでは立ち仕事は避けられないものです。
体の不調が仕事を妨げるまで行くのであれば、企業の内勤などに転職するというのも有効な手段かもしれません。腰痛が続けば後々に響く障害になるかもしれません。慎重に行動しましょう。
転職の際は、薬剤師専門の転職サイトにそうだんすると、的確なアドバイスがもらえるでしょう。
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